身体を置き去りにしたまま、どこへ行くのか

2026.06.22

人はなぜ、なにかの理由をつけてお金を払い、食べて、結果として太ったと気にするのだろう。

その反動で自分を責め、今度はまた別のところにお金をかけて、サプリやエステで「楽」を買う。

会費だけ払っているジムの会員証を財布に入れ、運動したつもりになる。

そのあと、決まって「お金がない」と言う。

不思議な光景だな、といつも思う。

太るとき、人は怠けているわけではないはずだ。

今のしんどさを、一瞬だけ和らげたい。それだけの防衛行動だ。

疲れたから甘いもの。忙しいからコンビニ。

どれも、自分を守るための小さな一歩なんだろう。

痩せようとするときも、根っこは同じだ。

「今の自分をどうにかしたい」という切実な願い。

ただ、多くの場合は方向がズレている。身体という資本に目を向ける前に、外側から何かを足したり、機械に頼ったりすることばかりに目がいってしまう。そんな弱った心につけ込んでくる業者も、残念ながら後を絶たない。

「これを飲めば」「これをすれば」。

変化を求める気持ちは分かるが、自分の身体そのものを置き去りにして、本当に望む結果が手に入るんだろうか。

本当は「お金がない」わけではない。

ただ、自分の身体を一番に優先する価値観が、どこかで遠のいていただけ。

……なんてことを、会話中にふと思うことがある。

もちろん、目の前の人には言わない。

本当のことは、耳で聞くより、身体で感じ取ってもらうのが一番だから。

今日もまた、目の前の身体と向き合うだけだ。


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